負けないもんね
「ふふふ…っ。本当に桂ってのは男かい?この滑らかな髪、まるで女のような…」
「似蔵テメェェェ!アイツの髪にスリスリペロペロしていいのは、俺だけだ!!!」
「えええ!!なに言い出すの、銀さん!!」
「いいか。これを見ろ」
銀時は胸元からズルリと髪の束を引き出した。
「銀さんも持ってるし!!!」
「そいつぁ…」
似蔵は息を飲んだ。

「こいつぁなぁ攘夷戦争に出陣するときにヅラと分け合ったものなんだよ!!!」
「あんたソレ、何年ものだね?」
「えーと、十年くらい?」
「古ぅ!!!しかも常に携帯してんのかィ!!!」
「わかったか、ヅラへの変態もとい、愛ならおまえには負けないんだよ!!!」
「逆だよ銀さん!しかも、そんなの自慢するよなことじゃないですから!!!」

「おまえは無理やりだろうけど、俺は合意の上だし!」
「くっ」
似蔵は再び息を飲んだ。今、自分を越える変態が眼前にいる。

「切り取った髪だけじゃなくて本物も自由に出来るし!」
「あの、銀さん。その辺りで自重してください」
「ヅラにスリスリペロペロクンクンしていいのは俺だけだー!」
「さりげに増えてます、銀さん」
銀時は似蔵にかつてない速さで斬りかかった。
「銀さーーぁん!!!」
新八の絶叫がこだまする。

「そいつをよこせぇえぇえええい!!!!」

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